ヒュー・ジョンソンにも選ばれたスロヴェニア・ワイン
ヒュー・ジョンソンの「ポケット・ワイン・ブック」は世界でもっとも読まれているワイン・ブックですが、毎回、おもしろい付録記事がついいるのをご存知でしょうか?
最新刊の第7版では、「2007年向けセレクション」が設けられ、「リースリング探索」「南半球の変り種」「シェリー発見」「オーガニックワインとバイオダイナミックワイン」という興味深いテーマでワインがセレクトされています。
これらは、どれが一番優れているか、おいしいか、ということでなく、2007年に飲んでみたいワイン、言い換えれば、世界のワインのトレンドがどこにあるのか、ということを示しているものです。
今月発売の月刊PLABOYでは、そのリストの中からと他の部分の中から12本を取り上げています。
イギリス人のヒュー・ジョンソンがつくったリストだけあって、日本人にはなじみのないものもあちます。特にスロヴェニアのクプリエン・レンスキ・リースリング。旧ユーゴスラヴィア諸国で多く栽培されているラスキ(Laski)リースリングはウェルシュ・リースリングですが、レンスキ(Renski)リースリングはドイツのリースリング種のこと。ヨジェ・クプリンはレンスキ・リースリングの造り手の中でももっとも優れた造り手と言われているおじいさんです。
この希少なワインを味わう機会がありました。
なんともクラシックで純粋なリースリング。下手な小細工は一切成し。2005年というヴィンテージのため、まだフルーツ香がさわやかに香るものの、オイリーなペタノール香も出始めています。昔は、ドイツもこんな感じで造っていたのかな、と感じちゃいます。こういったタイプを基準に、さまざまなヴァリエーションを造っていったのではないか?と思わせるワインです。
ワイン初心者に優しく、ヨーロッパのグラン・ヴァンを飲みつくした人にも安らぎを与えるワイン、て感じ。
PLAYBOYの記事中にボトルの形を評して「リースリングは、撫で肩ボトルに入れるのが常識なのに…」とありますが、これは事実ではありません。ボトルが工業製品として作られるようになり、ドイツのラインガウやモーゼルが撫で肩のボトルを採用し(リースリングだけでなくシルヴァーナやミュラー・トゥルガーにも使用)、かつてドイツ領でもあったアルザス(ゲヴュルツトラミナーやミュスカにも使用)でも使用した、というだけのこと。ニューワールドで、最近、ドイツ・リースリングをイメージして撫で肩ボトルにし始めたのはマーケティング以外の何ものでもありません。つまり、グローバリゼーションってわけ、ね。
一方、ドイツでは撫で肩のボトルでは甘口と見られることを嫌い、ボルドー型のボトルを使用するリースリングの生産者もでてきています。
いろんなワインを飲みつくして辿り着くワイン、て感じもあるワインに、ボトルの形云々というのは野暮、ってもんでしょ!
旧ユーゴスラビアの国として、2004年にEUに加盟したスロヴェニアには、第二次大戦後、急速に工業化した西ヨーロッパのワインとは一線を画して旧き良きワイン造りが残っています。それだからこそ、自然派のワインが注目を集めている中、人為的でない自然派のワインが真に評価される時期が来たと言えるでしょう。
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