
「ユニオン・デ・グラン・クリュ・ボルドー ヴィンテージ2014」が福岡・大阪(ともに11月20日、東京(11月21日)、だ開催されました。
東京会場のヒルトン東京には約1,000名の来場者を集め盛況のうちに終りました。
「ユニオン・デ・グラン・クリュ・ボルドー」は1973年創立。
メドック、グラーヴとペサック・レオニャン、ソーテルヌとバルサック、サンテミリオンとポムロールにあるトップクラスの133シャトーが加盟し、世界各地でプロモーションを行っています。
毎年、東京でも開催されるグランド・テイスティングは、テーマとなっているヴィテージを総合的に判断できるまたとない機会となっています。
■サン・ジュリアン

シャトー・ランゴア・バルトン Château Langoa Barton
シャトー・レオヴィル・バルトン Château Léoville Barton
バルトン一族が所有するサン・ジュリアンの2つのシャトー。
同じ造りながらもシャトー・ランゴア・バルトンは優しく女性的、シャトー・レオヴィル・バルトンは力強い印象のワインになっています。
今年も九代目リリアン・バルトン・サルトリウス女史がテーブルに立ちました。
女史によると2つのワインの違いは、ブドウ畑のテロワールを反映しているとのこと。

シャトー・グロリア Château Gloria
サン・ジュリアンの中ではストラクチャーとボディのしっかりしたワインで、時には長い瓶熟成を必要とする(または飲む時、デキャンティング)シャトー・グロリアだが、2014年ヴィンテージはすぐに飲める、なめらかな味わいのワイン。
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シャトー・ベイシュヴァル Château Beychevelle
いつも安定していて、楽しく飲めるシャトー・ベイシュヴァル。
2014年も期待を裏切らない出来。
シャトー・ブラネール・デュクリュ Château Branaire-Ducru
控えめだが、エレガントなワイン。
シャトー・ラグランジュ Château Lagrange
サントリーがオーナーのシャトーなので、日本ではおなじみのワイン。
2014年ヴィンテージは、いつにも増してエレガントなワインに仕上がています。
シャトー・レオヴィル・ポワフェレ Château Léoville Poyferré
ラベルが印象的なシャトー・レオヴィル・ポワフェレ。
こちらもエレガントな仕上がり。
シャトー・タルボ Château Talbot
毎年、少しずつ印象の異なるシャトー・タルボーですが、2014年はこのワインの本来らしさが出た素晴らしいワインとなっています。
華やかさというよりは、ボルドーならではの品格を持っていますが、その割に価格が安く、お買い得なワインなので個人的にお気に入りのワイン。
■ポイヤック

シャトー・クロワゼ・バージュ Château Croizet-Bages
控えめな格付け4級のため、ロバート・パーカーなどには不評のシャトー・クロワゼ・バージュですが、これぞまさしくポイヤックならではの品格ある(フィネスな)ワイン。
ニューワールドでは決して造ることができないワインです。
2014年はまさしくシャトー・クロワゼ・バージュのヴィンテージ。
価格も手ごろなので、見つけたら即買い!です。

シャトー・クロワゼ・バージュのスタッフが左手に持つのは、同じオーナーのキエ家が所有するシャトー・ローザン・ガシー。
格付け2級らしいエレガントなワイン。
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シャトー・バタイエ Château Batailley
しっかりしたシャトー・バタイエですが、2014年ヴィンテージは例年よりもタンニンがソフト。
今でもデキャンタなしでも飲めます。
シャトー・クレール・ミロン Château Clerc Milon
カルメネールをごく少量ブレンドするのが特徴的なワイン。
おいしさが安定しています。
シャトー・オ・バージュ・リベラル Château Haut-Bages Libéral
ビオディナミ農法を導入。
優しい味わいに、少しバラのニュアンス。
シャトー・ランシュ・ムサス Château Lynch-Moussas
21世紀に入ってから本領を発揮し始めたシャトー・ランシュ・ムサス。
2014年ヴィンテージはフレッシュさも残す、バランスよいワイン。
飲むべき1本。
シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド Château Pichon Longuville Comtesse de Lalande
例年よりもタンニンが控えめで、今すぐにでも飲めるヴィンテージ。
■ポムロール

シャトー・ボールガール Château Beauregard
2014年ヴィンテージはメルロの出来がよいため、ポムロールは当たり年とも言えます。
シャトー・ボールガールも、メルロのなめらなかストラクチャーで生きています。

シャトー・クリネ Château Clinet
リュット・レゾネ(減農薬栽培)のブドウを使用。
柔らかさなエレガントさを産み出しているワイン。
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シャトー・ル・ボン・パストゥール Château le Bon Pasteur
ミシェル・ロランがコンサルタント。
いつもは豊かな印象のワインだが、2014年ヴィンテージはエレガントな仕上がり。
シャトー・ラ・カバンヌ Château la Cabanne
ポムロールでは、飲み応えのあるワインだが、2014年ヴィンテージは、エレガントさにさらに磨きがかかっています。
シャトー・ガザン Château Gazin
メルロに比率の高さや、コンクリート・タンクを使用するなど、クラシックなポムロール・スタイル。
2014年ヴィンテージはひじょうにバランスよく飲むべき1本。
シャトー・プティ・ヴィラージュ Château Petit-Village
シャトー・ラ・コンセイヤントの隣り。
オーナーであるアクサ・ミレジムの投資が実り、近年、急速に品質が向上。
■サンテミリオン

シャトー・カノン・ラ・ガッフリエール Château Canon-la-Gaffeliére
2014年ヴィンテージから有機農法の認証取得。
カベルネ・フランの比率が高いのも特徴。
2014年ヴィンテージは本来のワインの特徴がよく出ていてバランスよく、飲むべき1本。

シャトー・ラ・ドミニク Château la Dominuque
酸がきれいなワイン。

クロ・フルテ Clos Fourtet
石灰質土壌からのミネラル感のあるサンテミリオン。

シャトー・ラ・トゥール・フィジャック Château la Tour Figeac
ビオディナミ農法、サステイナブルなどを取り入れているシャトー。
柔らかく、さりげないエレガントさのあるワイン。

シャトー・ラ・ガッフリエール Château la Gaffeliére
リッチなサンテミリオンで超熟型のワイン。
2014年ヴァインテージは、タンニンが良くてバランス良く、今からでも飲めるワイン。
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シャトー・ラ・クスポード Château la Couspaude
ソフトなタンニンを持つエレガントなワイン。
シャトー・トロットヴィエイユ Château Trottevieille
サンテミリオンの最初の格付け以来プルミエ・グラン・クリュ・クラッセで、フィロキセラ以前のブドウ樹も存在。
2014年ヴィンテージはなめらかなストラクチャーが特徴的。
シャトー・ヴィルモウリーヌ Château Villemaurine
サンテミリオンでは、タンニン重視のシャトー。
2014年は、良質で豊かなタンニンが、最上のバランスを保っています。
■ペサック・レオニャン

シャトー・ラリヴェ・オ・ブリオン Château Larrivet Haut-Brion
白と赤。
クラシックなスタイルの白が秀逸。
オーナーのフィリップ・ジェルヴォゾン氏の娘エミリーさんがマーケティング広報担当。

シャトー・パプ・クレマン Château Pape Clément
いつもながらの極上のワイン。

シャトー・マラルティック・ラグラヴィエール Château Malartic-Lagravièr
ブドウはリュット・レゾネ。
白は、ソーヴィニヨン・ブランとセミヨン。
赤は、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドのブレンド。
白、赤ともに秀逸で、ともに格付けされています。
2014年ヴィンテージは特に赤のソフトなタンニンがワインを引き立てています。

シャトー・スミス・オ・ラフィット Château Smith Haut Lafitte
ペサック・レオニャンを代表するシャトーのひとつ。
さすがに赤、白ともに極上。
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ドメーヌ・ド・シュヴァリエ domaine de Chevalier
赤、白ともに秀逸ですが、「世界最高峰の偉大な辛口白ワイン」ともいわれる白は、さすがに絶妙なバランスを持った、他は一線を画したワインです。
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■2014年ヴィンテージ

2014年は、夏は涼しく、晩夏から秋にかけて晴天が続きました。
そのため、近年続いた果実味の豊かな力強いスタイルのワインではなく、より繊細、エレガガント、品格を持つスタイルのワインとなっています。
メルロ比率の高い右岸、特にポムロールはすべて素晴らしい出来のワインとなっています。
昔のエレガントさを重視した、しかしタンニンはよりきめ細かな造りとなっているワインは、他の生産地域には無い品格を持ちます。
ボルドーの底力を感じさせるグランド・テイスティングでした。
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