今、読んでもおもしろい村井弦斎「食道楽」
明治のベストセラー、村井弦斎の「食道楽」がおもしろいのです。
最近、いろいろと古くておもしろいものを発掘している岩波文庫から、100年の時を経て再び世に現われました。
明治36年の1月3日から一年間、報知新聞に連載されたのですが、もともと文化的(西洋的)食育を目指した啓蒙小説でした。
ストーリーは大食漢の大原満の友人たちが料理上手の娘を娶わせようとしたものの、田舎から両親が婚約者と連れてきて、騒動が起きる、というもの。
しかし、随所に啓蒙小説らしく、調理場は衛生的にしなければならないとか、西洋料理を食べる時の心得など実用的な内容がちりばめられています。
村井弦斎は報知新聞の編集長でしたが、彼の書くものは当時、絶大な人気を博しました。文壇の人気者「紅露逍鴎」すなわち尾崎紅葉、幸田露伴、坪内逍遥、森鴎外4人を合わせても本の売上は弦斎が上回っていたのです。
「食道楽」に出てくる料理は、今でも通用するものも多く、作ってみようという気になってしまいます。
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